テーマ:完全なもの
思えば初めから不自然だった。
世界が完全であるなら私だって完全でなければおかしい。
私は完全な世界に憧れた。世界が完全でないなら私の憧れは…紛いものだった。
不完全な世界と不完全な私を繋ぐもの…私はそれを夢と名付けた。
世界(仮)は私が世界と乖離したことで、もう"今の世界"とは同じではなくなっているように思えた。
私は世界(仮)に愛を与え続けた。
世界(仮)もまた愛を喜んでいた。私は幸せだった。
私は世界を真似ることで与え続けることを思い付いた。
私たちは幸せだった。
…世界がいなくても私は幸せだった。
私は私ではないものを演じることで以前の私とは違って思えた。
私は再び、私が何者かわからなくなった。
以前は世界(仮)を造ったが、、私が演じているものを造ろうとも思った。
そのものを切り離すことで、私は以前の私に戻れるのではないかと思った。
しかし世界(仮)が私の演技。。表現を好きだと言ってくれた。
私は私が何者かわからなくても世界(仮)の為に今の私でいようと思った。
─やがて、世界(仮)は私から離れてみたいと言った。
世界(仮)も不完全で私とは違った幸せを探したいと言った。
私は嬉しかった。寂しさより嬉しかった。
離れていても不完全な私と不完全な世界(仮)は夢で繋がっていた。
私たちは夢で繋がっていた─